表紙を含めB4サイズのカード62枚に模様編み記号図を掲載。1枚のカードに複数の模様が入ったものもあり、総数100点以上の伝統模様を紹介します。
また、著者による模様集の説明や模様を編み込んだ写真も掲載した小冊子付き。ケース入りの豪華本です。
まさにスウェーデンの宝を収めた、編み物ファンにとって資料として、またデザインソースとして価値の高い本です。



※ 全ての図案に編みあがり写真はついておりません。予めご了承ください。

私がこの本の原稿に出合ったのは、もう一年以上も前です。「毛糸だま」の海外取材でこの本の著者のブリット‐マリー・クリストッフェションさんの展示会の紹介をしたことがあり、その時、取材してくれたスウェーデン在住のライターの佐藤園子さんから、ブリット-マリーさんよりのプレゼントとして頂戴した時です。
A3判の用紙に手書きの模様編みがびっしりと記され、黒いファイルに収められたものでした。60枚以上の分量の多さにびっくりし、また、かつて伝統ニットの本で見たことのある模様も記されていて、その模様集の持っている力に感動さえ覚えてしまいました。何と言っても、とにかく嬉しかったのです。
その時、一番に考えたのは、編み物が大好きな私がこんなに感動し、嬉しかったのだから、この喜びをもっと多くの編み物ファンと共有したいということでした。早速、ライターの佐藤さんにブリット-マリーさんに出版が出来ないか打診をしてもらいました。
しかし、帰ってきた答えは“ノー”。
理由はブリット-マリーさんはもう若くもないし、今、新たにしていることがあるので、この模様編み集に関わることは無理だということだったのです。しかし、もう絶対出版したいと思っている私の気持ちは諦められません。
幸いブリット-マリーさんは日本での展示会があり、その時お会い出来るので、直接お会いしてお願いしようと思ったのです。
ブリット-マリーさんは展示会のため、日本に長期に滞在していたので、夕食をご一緒して改めてお願いをしました。すぐに返事はなかったのですが、帰国さてれ“OK”の返事をいただきました。ずっと思い込んでいたことでしたので、OKの返事はとても嬉しいものでした。
この本は私がいただいた時の感動を同じようにお伝えしたいために、カード形式にし、黒のケースに入れることにしました。
次々に繰り広げられる、スウェーデンの伝統の模様編みはきっと見る人に大きな印象を残すと確信しています。
また、ブリット-マリーさんが日本の読者にどうしてもお伝えしたいというスウェーデンの編み物の歴史を、小冊子にまとめました。
私はスウェーデンが培ってきたニットの宝を皆様に提供できる喜びを感じています。


ボロースのテキスタイル大学、ストックホルムの芸術工芸デザイン大学コンストファック修了。
テキスタイル、ならびに壁紙などのデザインを手掛ける。10人による有名なスウェーデン・デザインブランド10-Gruppen(ティオ・グルッペン)の一員として活躍していたが、その後はニットの世界を深めるとともに、コンストファックHV(手工芸友の会)や他のいくつかの手工芸学校でニットの講師をつとめてきた。
「編み物技法、伝統的なパターン、新しいセーター」や「棒針編み 進化する手仕事」など展示会活動も行っている。現在は編み地に刺しゅうを施す仕事を手掛けている。

「毛糸だま2008年春号」より
平成20年2月6日から25日まで、ニットファンには見逃せない展示会が在日スウェーデン大使館の展示ホールで開催されました。
2つの展示が会場内に構成されましたが、「編みものとデザイン KNITTING AND DESIGN」というのがこの2つの展示の共通タイトルです。
まずその一つは、前回の「毛糸だま」冬号でも紹介されたスウェーデン国内を巡回して好評を得ているブリッド-マリー・クリストッフェションのニット展です。様々な色で構成されるブリッド-マリーの40×40cmのスワッチは、まるでニットで色遊びしているようです。ブリッド-マリーのニットスペースに入ると、なに一つ見逃したくない衝動に駆られ、カラーコンビネーションの他にもチェックしたいニット・テクニックがここにも、そこにも、あそこにも。心穏やかにはなれず、興奮と共にハンドニットの持つ表現力の豊かさに驚かされるばかりです。平らな編み地から特別に目を拾っては帯状の編み地を立体的に立ち上がらせ、またそれを結んだりひねったり、色を足したりと、まあこんなに様々なアイデアを組み合わせられるものかと、棒針の可能性を思い知らされます。
自分の周囲にバリアを張って、周りとの接触を一時的に絶ってポジティブな孤独の時間を楽しめる手編みは、メディテーションにも似た行為とよく例えられます。もちろん穏やかな温かみのある手編みも良いのですが、エキサイティングなデザインに心動かされて少し個性的なニットにチャレンジすると、きっとまた手編みの新しい魅力に出会えるのではないでしょうか。
2つめの展示は、長年ブリッド-マリーとも一緒に仕事をしてきたオステルヨートランド羊毛紡績の展示です。オステルヨートランド羊毛紡績は1981年に創業を開始し、2007年で25周年を迎えました。質の高い毛糸を作り続けて、その毛糸で様々なデザイナーとコラボレーションしながら、沢山のニットデザインを生み出してきたオストルヨートランド羊毛紡績。日本に来た「いつでもウール」展や「デュレデュ・プロジェクト」でも、デザイナーたちと共にいつも手編みの楽しさをアピールしてきました。その羊毛紡績がまた新たに毛糸と向き合って、毛糸のもつ魅力に迫ります。羊毛紡績の経営者の一人でもあり、デザイナーでもあるウッラカーリン・ヘルステンは、「羊の毛布」でスウェーデンのデザイン賞でもある「スヴェンスク・フォルム賞」を受賞しました。彼女のトレードマークとも言えるこの羊も、今回の羊毛紡績の展示の1つのテーマとなっていて、このモチーフが使われた新しいニット類、丁寧な仕事によって作り上げられる風合いの軽い毛糸で織られた毛布や縮絨ウール地ヴァルマドなども展示されます。ウールが持つ魅力は、いつも私たちを捉えて離さないのです。






















