第3回 キルトジャパンコンテスト入賞作品発表

第3回 キルトジャパンコンテスト入賞作品発表

第3回キルトジャパンコンテストが(株)日本ヴォーグ社のクラフティングアートギャラリー及びセミナールームにて開催されました。今回はA部門:ミニタペストリー「テーマ:花」とB部門:袋ものの2部門で募集。本審査はこうの早苗さん、小関鈴子さん、キルトジャパン編集部によって行われ、各賞が決定しました。協賛社賞もあわせ、計154点の入賞作品を発表します。

第一次審査/2019年6月20日 第二次審査/2019年7月26日  応募数/A部門273点・B部門174点 計447点
撮影/森谷則秋

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グランプリ

グランプリ

ハンフリーズ深雪(東京都)

「Vitamin Field」 79×79cm

作者のコメント
オレンジ色、黄色、黄緑色などのビタミンカラーを使い、キルトを見た人が元気いっぱいになるような作品にしました。
審査員からのコメント

こうの早苗:花の持つ美しさ、自然界の営みがよく表現されています。作者は絵を描く方でしょうか、絵画を見るような気持ちになる作品です。

小関鈴子:花が生き生きとしている、という第一印象を持ちました。一つの絵画としても成立する作品です。仕上がりがきれいで配色が工夫されている点も目を引きました。

編集部:コンテストのテーマ「花」がとてもよく表現されています。ミシンキルトの技術の素晴らしさにも目を奪われました。

金賞

金賞 A部門 (ミニタペストリー)

落合泰子(兵庫県)

「Promenade」 80×76cm

作者のコメント
実のなる植物に心惹かれ、後でどんな植物だった?と調べることがよくあります。旅先の雑木林を散歩した時に出会った草花を表現しました。
審査員からのコメント

こうの早苗:色鮮やかな花ではなく、山に咲く山野草の花々の一つひとつがよく表現されているところが気に入りました。

小関鈴子:小さな丸いアップリケが細かく丁寧に仕上げてあります。赤い実や白い実がアクセントになっていて自然の中に咲く花々の強さ、楚々とした美しさを感じます。

編集部:雑木林を散歩しているような気持ちになる作品です。丁寧に施した細かな刺しゅうが全体の雰囲気を作っています。

金賞 B部門 (袋もの)

出本正彦(広島県)

「山茶花」 20×45×14cm

作者のコメント
裂織のはぎれをカットして山茶花(さざんか)を表現しました。ミシンのフリーモーションでたたき、刺しゅう糸や木のビーズでアクセントをつけました。
審査員からのコメント

こうの早苗:使い勝手のよさそうなおしゃれなバッグです。色の使い方のバランスがとても上手です。

小関鈴子:面白い大胆なデザインで、持ちたいと思うバッグです。持ち手と全体の雰囲気が調和しています。

編集部:花のモチーフが浮き出てくるようで存在感があります。本体と持ち手のバランスが絶妙です。

銀賞

銀賞 A部門 (ミニタペストリー)

横手郁子(神奈川県)

「ダブルウエディングリングの花」 76×76cm

作者のコメント
娘の結婚を祝し、ダブルウエディングリングの花を咲かせました。どんな状況でも乗り越えて欲しいとの願いを込めて。
審査員からのコメント

こうの早苗:ダブルウエディングリングのパターンで花を表現したところに新鮮な驚きを感じました。自然界に咲く花の色がよく出ています。

小関鈴子:パターンの使い方に心を惹かれました。バッググラウンドに、にじんだ色を使う難しい色合わせですが、発色の良い花とよく合っています。

編集部:花のパターンのグラデーションの配色が工夫されていて、多くの色を使いながらも一枚の中によくまとまっています。

銀賞 A部門 (ミニタペストリー)

飯嶋三佐子(千葉県)

「我が家の庭で」 80×80cm

作者のコメント
「つわ蕗」は私の大好きな花です。特に日差しによって様々に変化する様を表現し、額の中の絵画をイメージして仕立てました。
審査員からのコメント

こうの早苗:身近に咲くつわ蕗を表現したところに日本の自然の美しさを改めて感じます。布でこれだけの質感を表現したところが素晴らしいですね。

小関鈴子:古い絵画を見るようなアンティークの色調がいいですね。つわ蕗の花や葉の一つひとつが違う布で、葉に施した細かなピンタックの技術も素晴らしいです。

編集部:深い色合いが特徴的で、見れば見るほど引き込まれていくようです。自然をよく観察していて、配色がとても上手な作品です。

銀賞 B部門 (袋もの)

出原美智子(和歌山県)

「BOROで風呂敷Bag」 40×45×25cm

作者のコメント
BOROにもう一度花を咲かせてもらいたくて破れや傷のあるところを刺し子などで補強し風呂敷バッグに仕立てました。
審査員からのコメント

こうの早苗:落ち着いた印象の藍染めの生地に刺し子を施して、モダンでおしゃれなバッグに変身させているところに驚きました。

小関鈴子:藍の布と、ところどころにつけた小さな数字の革パッチのコラボレーションが素敵です。刺し子糸の太さも絶妙です。

編集部:一枚の布を持ち手に結ぶことで立体的なバッグになるデザインがいいですね。いろいろな結び方を試してみたくなります。

銀賞 B部門 (袋もの)

岡﨑久枝(熊本県)

「ツイストケーブルスラッシュ」 41×46cm

作者のコメント
スラッシュキルトでカーブをきれいに表現するのに1本ずつテープ状にしたものを縫い、毛羽立たせて思った通りに仕上げることができました。
審査員からのコメント

こうの早苗:使いやすい色のバッグです。形がおしゃれでファッションに取り入れやすい作品です。

小関鈴子:ツイストさせたケーブルが立体的で面白い表現だと思います。下部分に刺したステッチも素敵です。

編集部:一言では言い表わせないおしゃれな雰囲気のある作品です。和と洋の要素を持っているところがいいですね。

審査員賞 A部門(ミニタペストリー)

こうの早苗賞

苫谷秀子(高知県)

「花の都パリ」 73×66cm

作者のコメント
自己流でパッチワークキルトを始めて35年余りになりました。この作品は今までで一番楽しく、集大成になった一枚です。
審査員からのコメント

こうの早苗:針仕事が好き、という気持ちを表現した作品だと思います。「見たいもの、したいことがたくさんある」という思いが伝わって見る側も楽しくなります。

小関鈴子賞

西 智津子(福岡県)

「花模様・夏」 77×78cm

作者のコメント
大好きな花を思いきり自由にデザインしました。色も形も現実を離れて美しく楽しいことを思い描き、リボン刺しゅうなどでアクセントをつけました。
審査員からのコメント

小関鈴子:この世のものではないような摩訶不思議な花が魅力的です。バックグラウンドの配色とピースワークにも目を奪われました。

キルトジャパン編集部賞

梅田由利子(北海道)

「咲いた 咲いた 私の花が」 79×79cm

作者のコメント
大小102枚のパターンを入れて花びらを表現してみました。1枚ずつデザインが違うので大変でしたが、かわいい花に仕上がりました。
審査員からのコメント

編集部:花びらの中に入れ込んだいろいろなパターンのピースワークがとても楽しい作品です。大胆に配置した花のデザインも素敵です。

トラディショナル賞

高田早苗(兵庫県)

「早春のハンガリー」 78×78cm

作者のコメント
旅行で訪れた早春のハンガリー。穏やかなドナウの流れや街並み、日差しや風から感じた春をキルトにしました。
審査員からのコメント

こうの早苗:全体をグレーのトーンでまとめつつ立体感を出した美しい作品です。決して地味ではなくシックなエレガントさを感じます。

小関鈴子:アップリケの王道と言える作品です。グレイッシュな色味だけでこれだけの重厚感を出すのは難しいのですが細部まで丁寧に作られています。

編集部:アップリケがきれいでとても上手だと思います。作者のパッチワークが好き、という気持ちが作品から伝わってきました。

こうの早苗賞

樋野悦子(広島県)

「デニムでおでかけ」 16×37×11cm

作者のコメント
Gパンの裾をほどくと色の濃淡が面白い素材が現れます。着古した家族のGパンの裾を使ってログキャビンにしました。
審査員からのコメント

こうの早苗:形のよいバッグです。デニムに合わせたベルベットのまちと持ち手がモードな雰囲気を出しています。

小関鈴子賞

西垣光子(神奈川県)

「Poisson Bag」 50×64cm

作者のコメント
水族館の水槽を回遊する魚をイメージしました。大好きな麻を土台に使ったパッチワーク用の丈夫なレッスンバッグです。
審査員からのコメント

小関鈴子:大きな土台にセルティックキルトで表現した魚の配色がいいですね。ものを入れて立体感が出ると作品のよさが際立ちます。

キルトジャパン編集部賞

嶋田悟子(和歌山県)

「For my next trip」 27×32×3cm

作者のコメント
小旅行のお供を作りました。でも、海外旅行用に昇格させようかな。
審査員からのコメント

編集部:色を変えていろいろなデニムを上手に使っています。持ち手の太さも使いやすそうです。男女問わず使えるデザインです。

協賛社賞

株式会社エム・シー・スクエア賞

オリムパス製絲株式会社賞

株式会社KAWAGUCHI賞

神田商事株式会社賞

金亀糸業株式会社賞

クロバー株式会社賞

蛇の目ミシン工業株式会社賞

JUKI販売株式会社賞

ジョアン賞

双日ファッション株式会社賞

大黒絲業株式会社賞

チューリップ株式会社賞

ディー・エム・シー株式会社賞

内藤商事株式会社賞

株式会社フジックス賞

ブラザー販売株式会社賞

ベビーロック賞

株式会社ベルニナジャパン賞

株式会社moda Japan賞

有輪商店株式会社賞

横田株式会社賞

株式会社ルシアン賞

渡邊布帛工業株式会社賞

公益財団法人日本手芸普及協会賞

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