有岡由利子さん

有岡由利子さん 1977年コットンハウスARIOKAオープン。あるアメリカのキルト講師と出合い、翌年にはキルト教室を開講。以来毎年のように渡米し、キルトのレッスンを受ける。2008年、トップキルター8人展「心の手仕事」、「私の針仕事展」ほか、数々の作品展に出品。作家活動とともにファブリックデザインも手がける。2010年『有岡由利子のまいにちのパッチワークキルト』を日本ヴォーグ社より出版。ヴォーグ学園講師。
コットンハウスARIOKA http://www.arioka.com/

キルトは急いで作るものではないと、有岡さんは言う。時間がかかるのがいいのだと。その時間のかけ方は最高に贅沢だし、心が落ち着いて、ものすごく癒される。「ミシンは嫌とか、手縫いの方が価値があるとか、そんな上等なことではなくて、私はゆっくり作るのが好きなの。私のリズムに合っているというか……。とりわけキルティングの、チクチク縫っている時間がたまらなく好きなんです」
よく針と糸を持つ時は無心といわれるが、決して無心なばかりではないと思う。悔しいことや悲しいこと、腹を立てながら縫ったことなど、キルトは一瞬にしてその当時を甦らせる。それは紙にペンで綴った日記のように、いやそれ以上に見ただけでその当時を彷彿させる、針と布の日記だと思う。
―本文より一部抜粋― キルトジャパン2011年3月号より
  • 針道具はボックスに入れてまとめている。針やシンブル、はさみなどをすっきりと収納。実用的なものの中にもかわいらしいものや思い出のものも使っている。
  • アトリエには布や本などの収納と共に、さり気なく好きなアンティークを飾っている。好きなものに囲まれて、創作の意欲も高まる。
  • 部屋の至る所にさり気なくキルトを使って。キルトは汚れたら洗濯し、暮らしの中で楽しんで使っている。
  • 『The Bush Garden』160×160cm
    伸びやかな植物の生い茂る様子をアップリケで描いた作品。4つのブロックを一つだけ変えたり、ボーダーの流れるようなデザインで動きを出している。キルティングもエコーと格子で表情を変えて。