諏訪美耶子さん

諏訪美耶子さん 大阪府四條畷市在住。キルト歴20数年。ハーツ&ハンズでキルトを学ぶ。現在はフリー。1989年「To My Family」がデーリーバーン美術館のコンテストに入選。1990年「Merry Christmas」が『私の部屋』112号の表紙になる。その後国内外のキルトコンテストで多数入賞し、評価を得る。2002年「To My Grandchildren」が和のキルト100人展に参加。アメリカ、ヨーロッパを回る。2004年「Forget-Me-Not」がキルトEXPOオランダで展示される。同年「Welcome!!」がアメリカヒューストンIQAキルトコンテスト ミックスドテクニック部門オノラブルメンション賞。現在、大阪府四條畷市の婦人会でキルト指導に当たっている。

諏訪さんはキルト作りとともに、アンティークキルトの収集にも人一倍熱を入れている。昔の人の針仕事を見るにつけ、その時代や作り手の暮らしぶりなど、色々なことが胸に押し寄せてくる。アンティークキルトの持つ力に引き寄せられるように、機会あるごとに集めるようになった。 仕事場だけでなく、家の居間の壁やソファーの上に、アンティークキルトが使われているが、骨董が好きだった義母の遺したものたちともしっくり調和が保たれており、ほっとできる空間が生まれている。アンティークキルトの中には、ほつれたり破れたりした部分もあるが、諏訪さんはそのまま使っている。 「そのままのキルトでいいと思うの。家というのは、立派かどうかでなくて、そこに住む人が住みこなしているかどうかだと思うんですよね。私のものにしていることが、一番大事なんじゃないでしょうか」 と言う言葉の中には、諏訪さんの暮らしへの思いがのぞく。 諏訪さんの作品作りに欠かせないのが、フィードサックという布だ。フィードサックは、1930年代にアメリカで、飼料や小麦粉の袋として使われていたものである。不況時代に商品が売れるようにと考え出された綿プリントだが、ざっくり織った綿の風合いと、ポップで軽やかなデザイン、明るい色合いは、幸せ感に満ちている。 フィードサックから伝わる弾むような楽しさを、好きな財布やポーチ、バッグなどの小もの作りに注いでいる時間は、諏訪さんの至福の時。でき上がった小ものたちも、その弾みでハミングしているかのようだ。 ―本文より一部抜粋― キルトジャパン2007年5月号より
  • 『Flower Basket』1992年制作 195×195cm
    清里キルトウィーク花のキルト部門入賞
    花や植物をいつも見ていたいという思いで作った作品。花びらの一枚一枚、葉っぱの一枚一枚を楽しみながらアップリケしていった。
  • キルトを始めた頃の作品2点。手前のキルトは初めてバスケットパターンを教室で習って作った作品。壁に掛けてある方は、展示会用に作った「サンフラワー」と題された作品で1985年制作。この作品は、同じことの繰り返しの中に色の変化を持たせてある。この手法は諏訪さんの作品に今も多く使われている。
  • アトリエで春らしい明るい色のキルトに囲まれて。手にしているキルトは、フィードサックの布を主に制作したもの。
  • 『A Day in the Wave』2006年制作 191×172cm
    2007年東京国際キルトコンテストトラディショナルキルト部門入選。オーシャンウェーブのパターンを使用し、娘のために作ったキルト。三角形の数が多く、途中で3か月も制作を休止しながらも、完成後の達成感はあったという思い出に残る作品だ。ウェーブをオレンジ色にして力強さを表している。

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