パッチワークの種類

アーミッシュキルト

1700年代頃ドイツから、アメリカのペンシルバニア州に移住した人々の中から生まれたキルトです。キリスト教プロテスタントの一派で、信仰の純粋さを保つため、厳しい制約を生活条件とした彼らは、現在でも電気や自動車など一切の機械文明を拒否した生活をしています。キルトづくりにもその精神は反映され、洗練された力強い幾何学的構図に、無地の布だけ使って大胆な配色をしたキルトは、素朴さの中にも強烈な印象を与えます。

アーミッシュキルト(ミフリン):デザイン/鶴本静江 制作/小林由美子

アーミッシュキルト(ミフリン)
デザイン/鶴本静江
制作/小林由美子

アップリケキルト

モチーフの図案を切り取り、大きな土台布にまつりつける方法と、ブロックごとにアップリケをし、それぞれをつなぎ合わせる方法があります。曲線の多いデザインに用いられ、絵画的表現がしやすい技法です。

アップリケキルト:デザイン・制作/山下領子

アップリケキルト
デザイン・制作/山下領子

アルバムキルト

各自がブロックを持ち寄り、共同制作したキルトです。また、一人で全ブロックをつくり、それぞれの人がサインを入れた作品などがあります。友情キルト、署名キルト、記念キルト、贈呈キルトなどもあります。

エンブロイダリーキルト

エンブロイダリーは日本語で刺しゅうの意味。ブロックにいろいろな図案を刺しゅうで表現した技法のことをいいます。赤一色の糸で刺すレッドワークや青一色のブルーワーク、清楚な白一色のホワイトワーク、ボリューム感のあるステッチを楽しむキャンドルウィックなどがあります。

クリブキルト

クリブとは幼児用の枠つきベッドのことで、クリブキルトとは幼児のためにつくられた小さいサイズのキルトのことをいいます。アメリカの家庭が開拓時代より裕福になって、独立した子供のベッドを持つようになったのが、その背景にあるようです。

クレイジーキルト・ヴィクトリアンキルト

不定形の布をパズルのように土台布に縫いつけ、刺しゅうステッチで飾りつけます。実用的というより装飾的に使われたため、中綿は入れずに裏をつけてから部分をとじ縫いしてあります。19世紀後半に流行したヴィクトリアン・クレイジーキルトは、シルク、ベルベット、ウールドレスの残り布など上質の布が使われ、大変豪華に仕上げられています。

コンテンポラリーキルト

伝統的なトラディショナルパターンにこだわらず、新しい手法で表現された現代感覚のキルトのこと。全体の構図は従来のキルトのようにモチーフの繰り返しというより、絵画的で、斬新、創造性のあるモダンなデザインが多く見られます。

サンプラーキルト

パッチワークの基本となるさまざまなパターンを縫い合わせて、一枚に仕上げた見本のようなキルトをいいます。

シグニチャーキルト

多くの人々のサインを集めたキルトのことをいいます。サインは鉛筆で書いてもらい、その上を作者が赤糸などで刺しゅうをして完成させます。

シャドーキルト

土台布にアップリケを仮止めしてオーガンジーをのせ、周りをランニングステッチで押さえます。透ける素材を重ねることによって、柔らかい表現ができます。

ステンドグラスキルト

ステンドグラスに見立ててつくるキルトのことで、土台布にデザインを描き、突き合わせに置いた布をバイアステープでとじつけます。

ステンドグラスキルト:デザイン・制作/山野辺あみん

ステンドグラスキルト
デザイン・制作/山野辺あみん

スラッシュキルト

布を何枚か重ねてミシンで縫い、一番下の布を残してカットした後、洗って起毛させてベルベットのような風合いにしたキルトのこと。布を重ねることで、思いがけない配色を楽しむことができます。

セミノール・キルト

フロリダのセミノール・インディアンによって考案された手法です。リボン状に細長く切った布を縫い合わせ、また切って再構成したものです。

セルティックキルト

ヨーロッパのケルト民族の伝統的な文化を基にデザインされた文様を、バイアステープでアップリケする技法です。

ドールキルト

人形用のベッドカバー、ゆりかごなどにつくられたキルトです。人間用のベッドカバーの1/12くらいでつくる、とても小さなものです。

トラディショナルキルト

伝統的なパターンや手法を用いて制作されたキルトのこと。パターンの種類は何千種類もあります。数多くのパターンは自然や生活にその起源があります。

トラディショナルキルト:デザイン・制作/小幡幸子

トラディショナルキルト
デザイン・制作/小幡幸子

トラプントキルト

タリアで生まれたキルトでイタリアンキルトとも呼ばれます。ホワイトキルトに多く見られ、キルティングしたものに裏から綿や毛糸、コードなどの詰めものを入れて模様を立体的にし、石膏彫刻のような美しいレリーフ効果を表したキルトです。技法はコーティングとスタッフィングの2種類あり、デザインによって使い分けます。

ハワイアンキルト

切り紙細工の模様からできる対称的なパターンを、土台布にアップリケするキルトのこと。草花や海の生き物など自然のモチーフが特徴で、アップリケパターンに沿ったエコーキルトをするのも独特なスタイルです。

ピースドキルト

キルトの中で最もポピュラーな技法です。三角形、四角形、六角形などを縫い合わせ、幾何学模様のデザインでつくられたトップは、数限りない組み合わせができます。

ブライドキルト・ブティ

花嫁のためにつくられたキルトです。ダブルウエディングキルトやホワイトキルト、シャーロンのバラなどが代表的なパターンです。花嫁自身が仕上げたものや花婿のイニシャルや結婚記念日などが刺しゅうされました。ブティはフランスで生まれたキルトで、キルト綿をはさまずに2枚の布にステッチをかけてから毛糸などの詰めものをするので、陰影をより一層美しく、装飾的に表現できます。

ブティ:デザイン・制作/浦野カヨ

ブティ
デザイン・制作/浦野カヨ

ブロダリーパース/アップリケパース

チンツ地に描かれている、花、鳥、花瓶などのモチーフを切り抜いたものを組み合わせて、土台布にアップリケをしたものです。

ボルチモア・アルバムキルト

1840年から1850年頃にアメリカ、メリーランド州のボルチモアで流行し、上流階級を好んだ人々によってつくられた優雅なアップリケキルトです。モチーフは建物、船、家具、花かご、鳥など身の回りのものから独特の美しいパターンをつくり出しています。赤と緑を取り入れた配色が特徴です。

ボルチモア・アルバムキルト:デザイン/石崎智恵子 制作/添野辻子

ボルチモア・アルバムキルト
デザイン/石崎智恵子
制作/添野辻子

メダリオンキルト

1中心のブロックから外側に向かって、関連したデザインで構成するキルトのこと。18世紀から19世紀初頭にイギリスで流行しました。

メダリオンキルト:デザイン・制作/升井紀子

メダリオンキルト
デザイン・制作/升井紀子

メモリーキルト

亡くなった人を偲んでつくられるキルトのこと。故人の洋服や思い出の布を使ってつくられ、刺しゅうで名前や命日などが記されているものもあります。

モラ(リバースアップリケ)

中南米サンブラス諸島のクーナ族による伝統的な民族手芸です。リバースアップリケの手法を用い、幾重にも布を重ねて色鮮やかに人や動物などを表現しています。躍動感あふれる大胆な構図の中に、クーナ族の象徴や民族性が感じられます。

ヨーヨーキルト

円形または長方形にカットした布を縫い縮め、ギャザーを寄せて一つ一つの接点をつなぎ合わせます。裏布もなくキルティングもしません。

ログキャビンキルト

丸太小屋の建て方のイメージから生まれたキルトです。土台布の中央に明るい色の四角形をおき、細長い布をその周りに縫いつけていく方法です。

ログキャビンキルト:デザイン・制作/帆足艶子

ログキャビンキルト
デザイン・制作/帆足艶子

和のキルト

日本各地の風土を写した、伝統の布でつくるキルトです。絹織物、紬、友禅、西陣など年代を経た古布でつくるキルトも人気があります。

参考図書「こんなとき あんなとき パッチワークキルトなんでもQ&A」 日本ヴォーグ社刊

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