サジューからの贈り物

フランスの老舗手芸ブランドのMaison SAJOU(メゾンサジュー)とステッチイデーがコラボしました。
サジューのオーナーであるフレデリック女史がステッチイデーのためにデザインしてくれたのは、ベルサイユ宮殿をテーマにしたクロスステッチのクッション2点です。
どちらもマリー・アントワネットに由来する、華やかで優雅なデザインです。

photograph 白井由香里 styling 西森 萌

petit coussin Chambre de la Reine au Petit女王の部屋のクッション

01はベルサイユ宮殿内にあるマリー・アントワネットの寝室にあるタペストリーから。
02は宮殿の庭園内にあるプチ・トリアノンという離れの小屋から。
どちらもベルサイユ宮殿内のマリー・アントワネットにまつわるデザインからイメージを得ました。

Chateau de Versaillesベルサイユ宮殿

ブルボン王朝の優雅な宮廷生活を今に伝えるベルサイユ宮殿は、もともとはルイ13世が狩猟の館として使っていた城館を17世紀半ばにルイ14世が増築して宮殿にし、1682年に正式に宮廷が移されました。以降、1789年にフランス革命が勃発するルイ16世の時代まで国王の居城として使用されました。広大な敷地内には17世紀当時の最高の職人を集めて作られた宮殿と、フランス式庭園の最高傑作といわれる庭園があります。庭園の中にはグラン・トリアノンと、プチ・トリアノンと呼ばれる離れがあり、プチ・トリアノンは王妃マリー・アントワネットが多くの時間を過ごした場所として知られています。
http://en.chateauversailles.fr/

Maison de Sajouメゾンサジュー物語

サジューの裁縫道具セット。糸や針、はさみなどのデザインはオリジナルから復刻したもの。ベルサイユとマリー・アントワネットをモチーフにしたシリーズ。

1、2 古い図案集などの表紙と、現代に復刻した図案集。古きよきデザインを現代に残し、刺しゅうや手芸好きの愛好家から愛されています。
3 サジューのオリジナルプリントたち。フランスやパリをモチーフにしたものが多く人気です。
4 サジューの商品の中でも人気のあるはさみたち。19世紀に作られたモデルから復刻したもの。マザーオブパールやべっ甲で作られたものは現代ではプラスチック製になっていますが、一つずつ丁寧に手作りされています。


ベルサイユ宮殿内にある、マリー・アントワネットの寝室。今回デザインされたクッションのデザインのもとになった壁紙です。

フランスでナポレオンが亡くなってまだ10年も経たない1830年頃、ジャック=シモン・サジュー氏がパリ13区で始めたのがサジューの歴史の始まりです。サジュー氏はオリジナルの刺しゅうなどの図案集を多くの女性が入手できるよう買いやすい値段に設定し、新聞広告を利用した通販という方法で販売したため、当時大変な人気を博しました。今でもまれにアンティークショップやパリの蚤の市で、その頃の図案集を見つけることができます。しかし1920年代になり後継者問題にさらされ、その後サジューは商業的な活動はほとんどせず、ついに1954年に完全にその幕を下ろしました。 そしてそのサジューを2005年に新たに始めたのが、現オーナーのフレデリックさんです。 フレデリックさんの苗字はクレスタン=ビエ、イニシャルはCBです。彼女はある時アンティークショップで19世紀の古い糸についたCBというロゴに興味をひかれました。それはカルティエ=ブレッソンという会社の糸で、フレデリックさんの苗字と同じイニシャル。そんな小さなできごとから16歳の少女の古い手芸用品コレクションが始まります。特に彼女が興味を持って探したものは、糸。そうして古い糸やその色糸見本帳を集めるうちに、古いサジューの図案集にも出合いました。 彼女は自分のコレクションを集めていく過程で、例えばフランスの北の地方で糸が作られていることを知り、それなら糸はその北の地方のものがいい、というように、それぞれのものが本来の伝統的な場所で作られることが大切だし、素敵だと考えるようになります。そしていつしか「フランス製」にこだわった手芸のお店を開きたいと思うようになりました。そんな中、かつて素敵な図案集をたくさん発行していたサジューが途絶えてしまったことを知り、今度は再び自分の手で幕を開けることを決心しました。 フレデリックさんの手による新サジューは、当初ベルサイユにある事務所兼ショールーム(現在は非公開)から始まりましたが、今ではパリ2区ケール通りに広い素敵なお店があり、ゆっくり商品を選ぶことができます。日本はもちろん、アメリカ、オーストラリア、ロシアほか、世界のいろいろな国からお客様が来られています。お店に行くと、ちょっと驚くのは男性のお客様が多いことです。お1人だったり2人連れだったり、確かに手仕事は女性だけのものではなく、男性にとっても楽しいはずですね。お店では19世紀同様の手巻きメジャーなど昔の商品の復刻版と、伝統的なイメージを大切にしながら今の女性の感覚にも合うようフレデリックさんがデザインした商品などが販売されています。はさみ、糸、リボン、布、クロスステッチ用図案やキットのほか、さまざまなフランス製手芸用品を目にすることができます。


クロスステッチのクッションのキットは現代のサジューの人気商品のひとつです。

今回ステッチイデーのためにフレデリックさんがデザインした2つのクッションは、ベルサイユ宮殿の王妃の間とプチ・トリアノンの王妃の間からインスピレーションを得ています。彼女の事務所はベルサイユ宮殿に近く、ご自身もこの宮殿が大好きで、毎月のように見学に行っています。そのため彼女がデザインする商品には、ベルサイユ宮殿やマリー・アントワネット関連のモチーフのものがいくつもあります。 百聞は一見にしかず、とフレデリックさんと宮殿を訪れました。宮殿のあちこちで「この床はあの刺しゅう図案の、この壁布はあのキットのインスピレーションのもと」と目を輝かせて話し、お城のさまざまなシーンが彼女に大きなひらめきを与え、創作意欲の源になっていることが実感できました。 16歳で自分の名前と同じCBのイニシャルを見つけた少女のままの、いくつになっても感動できる心が、今のサジューのデザインとなり、世界中にファンができる理由なのかも、と納得しました。 花、お城、刺しゅうが大好きなフレデリックさんは「フランスの美しい庭」という協会に所属し、お城の庭などに咲く花や木をデザインした刺しゅうキットを販売しています。それを買って仕上げられた方々の作品を、みんなでつないでひとつの大きな作品に仕上げる、という集まりをパリ郊外のお城で9月に開催しました。 また、世界各地で魚や動物が食べてしまうことが大きな問題になっているプラスチック製袋をなるべく使用しないように、キット商品などの大部分のパッケージをプラスチック袋から紙箱に変更しました。このように新しいことに意欲的に取り組み、また発信できる側になった今、地球環境にも目を向けようと、活動の場をますます広げているフレデリックさんから日本の読者の皆様に伝言です。「この度、ステッチイデーの読者の皆様のために2つのクッションをデザインすることができ、とてもうれしく感じます。またこの場所から日本の皆様に、私たちの大好きなマリー・アントワネットの世界観をお届けすることができ、幸せに思います」

Sajou Parisサジュー

メトロのサンティエ駅(Sentier)から徒歩約3分。ケール通り(Rue de Caire)沿い。オレンジ色に青い文字の看板が目印です。
47, rue du Caire-75002 Paris, - France
営業時間 10:00~19:00(日曜定休・その他臨時休業あり)
E-mail : contact@sajou.fr
URL : https://sajou.fr/fr/

マダムサジューこと、フレデリック・クレスタン= ビエさん。ベルサイユにて。

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