(5)テネリフ
2019/01/30 00:00
テネリフレースは、あらかじめ糸を渡しておき、その糸を土台として結んだりかがったりして作るレースです。糸の渡し方によって四角形や帯状に作ることもできますが、車輪形(円形)が多く、中心から糸を放射状に渡すので、その形から太陽を意味する「サンレース」(スペイン語では「ソルレース」)とも言われます。 もともとは16世紀にアフリカ北西岸沖のスペイン領カナリア諸島に属するテネリフェ島で生まれました。当時は布にランニングステッチで円を描いてから糸を渡してレースを仕上げていました。17世紀になると、ランニングステッチの代わりに固いピンクッションを使い、円形にピンを打って糸を渡して土台を作ることが考えだされ、この技法が修道者や旅職人によって南米に伝えられて現地の住民に普及したのです。 南米に渡ったテネリフレースは、ボリビアンソルレース、ブラジリアンソルレース、ぺルビアンソルレースと地域の名で呼ばれ、パラグアイではニャンドゥティ(現地の言葉でくもの巣の意味)と呼ばれています。色は白糸が主体ですが、現代のレースには原色使いの作品も多く見られます。日本には明治の初めに伝わり大正から昭和初期に盛んに作られました。コッポ編み、花カード等はテネリフレースと同種類のものです。テネリフレースは最初の糸の渡し方、結び方とかがり方の組み合わせで自由に創作できる、楽しいレースの技法です。 毛糸だま 2012年春 157号掲載
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