(13)「限定的」欲望
2019/01/30 00:00
人形作りに使うための素材探しは、私の職業病です。公園でも本屋でも、目は“使える素材”を求めてさ迷います。そう、手芸屋さんだけではないのです。環境イベントで買った木ぎれ、骨董市では布切れ、海で拾った骨や板きれ。再度入手しようと手がかりを辿っても、まず目的は果たせません。 年々記憶力は低下するのに、再会できない素材だけは色も手触りもサイズも忘れられないのです。自分が触れないものだって欲しくなります。 映画「ベンジャミン・バトン」の中で手紙の束を結んでいた、白いサテンのリボン。それ私にください!とむなしく画面に訴えたこともありました…。 そして今号の女の子が来ているジャケットの布もまた、私が買った4ヶ月後には売り場ごと消えてしまっていたのでした。 もうちょっと、欲しかったのに…。 ヘラジカの体も布を使用。いろんな布から選べるのは贅沢な時間です 毛糸だま 2013年冬 160号掲載
読み物TOPページへ戻る