(18)耕す人
2019/01/30 00:00
人形を作り始めてから、今年で12年目です。人に教えるようになってからは10年ほどでしょうか。「先生」と呼ばれる気恥ずかしさにも、やっと慣れてきました。おかげさまでヴォーグ学園を通して各地で講座を開講していますが、漢字としては『開墾』のほうがピッタリくるように思います。 12年前はまだ、日本でニードルフェルティングの技法を詳しく知る人がわずかで、土壌は何もありませんでした。限られた土地を耕し、水をやって追肥し、見守る。種は来てくださる受講者の方々です。 人の前に立つことにもはや戸惑いは感じませんが、どこまで見守るのが必要なのかは悩ましい私自身の課題です。「作っていて楽しい!」や「こんなふうに作りたい」というワクワクするフレッシュな気持ちは、人が生きる上での大事な原動力ですが、長続きが難しい。あくまでも個人のペースを守って温め続けなければいけません。でも、上を見上げて来る台風に耐える成長もあります。 私は育ったいろんな花が、いろんな場所でまた種を飛ばしてくれればいいと願ってやみません。 服は緑に染めた羽二重をフェルト化しました。黒く染めたシルクのまつげもついていますよ 毛糸だま 2015年春 165号掲載
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