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手の温もりを感じる手仕事 「ハンガリーの伝統刺繍」
2019/10/30 00:00
今年、日本との外交関係開設150周年となるハンガリー。それを記念して、ハンガリーにまつわる音楽や映画、展覧会などのイベントが日本各地で開催されています。
テナライでは、ハンガリーの首都ブダペストで3年半暮らし、現地でハンガリー刺繍を学んだ井沢りみさんのレッスンを開講中。ハンガリー各地に残る、様々な伝統刺繍の魅力を伺いました。
写真・文/井沢りみ
ヨーロッパのほぼ中央に位置するハンガリー。波乱の歴史をたどりながら、独特の風習や文化を築き上げてきました。 首都ブダペスト。王宮の丘から見下ろすドナウ川は息を飲む美しさ。
民族衣装などに見られる美しい刺繍のモチーフは地域ごとに異なり、どれも温かく魅力的なものばかり。旧ハンガリー領の地域のものを含めると30種類以上もあります。ハンガリーで暮らしていたとき、色とりどりのクロスや民族博物館に展示されている多様な刺繍の美しさに魅了されました。
ハンガリー各地に残る、多彩な伝統刺繍をいくつかご紹介します。
カロチャ ハンガリー南部のカロチャで発達した刺繍。野の花を束ねたような鮮やかな色彩で知られています。 カロチャのお祭りにて。民族衣装を着てダンスに向かいます。
ボリュームのあるスカートに重ねる、刺繍でたっぷり飾ったエプロン。
カロチャ刺繍の特徴のひとつであるミシン刺繍(リシェリュー)。
マチョー バラや鳥の図案が可愛らしいマチョー刺繍。2012年にユネスコ無形文化財に指定されました。 刺しかけのマチョー刺繍。糸の重なりで彩られていく様子にワクワクします。
マチョーのお祭り。女性たちは自慢の刺繍の前掛けをスカートの上に重ねています。
シオーアガールド ハンガリー南部のシオーアガールド村の刺繍。縁にほどこすアイレットが特徴的です。 青いアイレットエッジが効いたシオーアガールドの民族衣装。
シオーアガールドのワッペン。似たモチーフですが、少しずつ違って楽しい。
ハンガリー全土の刺繍を教えるカロチャ出身のJenei Anikó(イェネイ・アニコー)先生に出会い、ハンガリー各地の刺繍を教えていただける機会を得られたのはとても幸運なことでした。図案や技法が地域ごとに異なり、これだけの種類の刺繍が伝統を守って受け継がれてきたことに驚きを感じます。
テナライのレッスンでは、かつてハンガリー領だったトランシルヴァニア地方の刺繍も含め、図案や技法が特徴的な6種類の伝統刺繍をお楽しみいただけます。様々な種類のステッチをひとつひとつ習得していく喜びを感じていただけると思います。
祖母から孫へ、母から娘へと受け継がれてきた伝統の手仕事をぜひお楽しみください。