社長エッセイ ―手芸 この素晴らしき世界

vol.10‐手づくりで支援、気持ちも届ける

vol.10‐手づくりで支援、気持ちも届ける

  今、公益財団法人日本手芸普及協会は「Knit4Gaza」という企画を進めている。いまだ戦争の傷跡から十分な復興が叶わない中、テント生活を強いられているガザの子供たちへ「編物で応援しよう」という催しだ。モチーフ編みやニット作品を今年の3月から募集し、すでにモチーフは約4,500枚、セーターなどの販売作品も1,200点以上寄せられている。(公益財団法人日本手芸普及協会は、さまざまな手芸の講師の方たちが会員として活動している協会です。詳しくは、 公益財団法人日本手芸普及協会ホームページ をご覧ください)



 先週末には、みんなで弊社に集って編み物をする「だまオフイベント」の開催に併せ、モチーフをつなぐ活動も行われた。編み物を愛する皆様がガザの子供たちに想いを寄せながら、たくさんのモチーフを1枚1枚、多くの手でつないでくださった。
様々な想いを編み込みにしたモチーフはつなぎ合わせ12m×90cmの横断幕にして「エール」を送り、ニット作品は10月6日東京芝公園の増上寺にて「チャリティ販売」をして売上げを寄贈する。物心両面で少しでも力になれたらと思う。

イベントは飛び入り歓迎で、多くの方がモチーフつなぎの活動に参加してくださいました。 この日は横断幕が15枚完成!

 約12,000名の会員の皆さんは技術的な学習会を数多く行い、日本の手芸文化や技術の普及を担ってきた。展示会やコンクールなども数多く開催してきた中で、社会貢献活動も熱心で今回のガザ支援の前には「世界の子供たちへ編物作品を贈ろう」という活動を1992年から行ってきた。(プロジェクトはMS&ADホールディングス、三井住友海上火災保険主宰)

 当初はあのチェルノブイリ原発事故の被害に遭った子供たちに(~1995年)、そのあとユーゴスラビア、モンゴル、パキスタン、ベトナム、アフガニスタン、シリア…と30年間にわたり28,000枚以上のセーターを含む計77,285点の作品を届けてきた。多くの子供たちが寒さに震える中で心も一緒に温まった様子は、返礼レターからも感じられた。

 


シリア北部の子どもたちへ編み物作品が届けられた様子。嬉しそうな笑顔が印象的


マケドニア(旧ユーゴスラビア)にて


モンゴルにて


ベトナムにて


アフガニスタンにて                            写真提供/国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン

 また、3.11の時は新学期を前に途方に暮れる子供たち、ご家族にとスクールバックの制作をと発信したところ僅か数週間でなんと6万枚に及ぶ手づくりのバックが寄せられた。作品には商品券や切手など現金化できるものも数多く添えられており、私も連日開封作業にあたりながら、お寄せ頂いた篤志に思わず涙がこらえられなかった。



あたたかな気持ちがこもった手づくりのスクールバッグ




6万枚の手づくりバッグを旧社屋のホールで仕分けする会員の皆様
 
 

 世界各地での紛争、災害は頻発し、心を痛めることは一向に減ることが無い。この時代、作品そのものを贈る(送る)ことは困難になったが、今回のガザへの活動が作品を寄せていただいた方たちにも何かをもたらすに違いない。

投稿者名:瀨戸信昭