編物の本格的な季節になってきた。
昨年からの編物人気であの原宿にも毛糸店がオープンされ、様々な毛糸たちにさらに魅かれる人もどんどん増えているようだ。
今回は、私が代表理事を務める公益財団法人日本手芸普及協会(発足:1969年)が主催する編物の最上位資格「師範」について、その卒業作品展の様子も見ていただきながらご紹介したい。
手編みのカリキュラムは、入門から師範まで5つのレベルがあり、かぎ針編み・棒針編み並行して学習した場合、(かなり集中すれば)全体で2年半で師範への道が拓ける。
毎年それぞれのレベルで沢山の方たちが学び、何千人もの方が資格を取られている。かつては、「教室で教えたい」という方がほとんどで講師資格を得ればそれもできたが、教える立場になるのであれば指導員までは進んでいただきたいと思う。 特にその上の師範ともなると受講者の内、卒業できる方は概ね8割ほどで、製図の理解、技法の習得など相当量のエネルギーが求められる。特に卒業作品の制作には、締め切りまで徹夜しても間に合わないーという声も聞かれるほどだ。
手編み師範養成講座は、現状、約半年にわたり6回(1回2日間)の対面講座を全て受講し、提示される課題を全て完了することが修了条件である。課題内容は受講した方にのみ開示しているので詳細は控えるが、学ぶ内容は製図に始まりデザイン画や色彩など多岐にわたる。限られた時間の中で課題を進めていくには自身の気力体力の勝負でもあり、またこれまで学んできたことがいかに身についているかも重要になってくる。
この講座は海外の編み物愛好家にも広く認知されており、韓国、中国、台湾においても日本から講師が飛び、約1年に渡り6回の講習(1回2~3日間)で若い方も散見され毎回40~60名の定員がすぐに満席になる。 何度か最終回の修講式には参列したが、タフな授業と実技が終わり修講式で行われる自作作品を着てのファッションショーでは、達成感で感極まり涙ぐむ姿は珍しくない。
先般、日本での第5次手編み師範養成講座が修了し、2025年に修了した第4次との合同卒業作品展が中野クラフティングアートギャラリーで開催された。
各々が自分のファッションを思い思いに表現した作品は、師範ならではのスキルが随所に見られる。

設営が完了した会場で一足先に作品を鑑賞

作品はデザイン画と共に展示

作品にじっくり見入る来場者の皆さん

作り手の丹精込めた意気込みが伝わってくる

フェミニンなセットアップスーツのエリア

講師陣の作品
それぞれご自身で考え抜いたデザインをデザイン画に落とし込み、さまざまな技法を駆使して編み上げた作品ばかりだ。「手芸」の域を超えた服飾文化と言える。
その完成度とここまで編むことに打ち込んでこられたことに心底から敬服するとともに、この卒業が次なる世界への<起点>になることを念願するばかりです。

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