ムーミンとめぐる、手づくりの時間 - 第4話「糸がつなぐ小さな時間」

日曜日の午後。
窓から差し込む光が白いテーブルの上に淡く広がっている。
みどりはそっと、ムーミン クロスステッチのキットを開いた。
 

並んだ糸の色は、やわらかなブルーやグレー、ミントグリーン。
ムーミンの物語に流れる穏やかな空気のように、どの色も主張しすぎず心地いい。

布に針を通すと、糸が静かにすべり、小さな模様が少しずつ浮かび上がっていった。

クロスステッチは一針ごとに同じ動きをくり返す。
その単純さが心を落ち着かせてくれて、まるで呼吸を整えるような感覚になる。
気がつけば、部屋の空気までやわらかくなっていた。
 

ふと、スマホが小さく震えた。
画面には同僚の遥からのメッセージ。
 

「この前教えてもらった手づくりタウン、見ていたら楽しくて!私も刺しゅうに挑戦してみようかな」
 

みどりは笑顔で返信する。
「わぁ、うれしい!クロスステッチは同じ動きだから、すぐ慣れるよ。
ムーミンの図案は色がきれいで、刺してるだけで癒されるの」
 

返信を送り、針をもう一度手に取る。
布の上で糸が交わり、ムーミンの輪郭がゆっくりと姿を現す。
森の中で静かに過ごすムーミンたちのように穏やかな時間が流れていく。
 

完成に近づくと、光を受けた糸がほのかに輝いた。
規則正しく並ぶステッチの列が、まるで心の奥まで整えてくれるようだった。


「次は遥と一緒に作ってみようかな」
 

その言葉に呼応するように、窓の外の木々がやさしく揺れた。
 

針と糸がつないでくれたこの静かな時間が、
みどりにとって、暮らしの中の小さな幸せになっていく気がした。


第5話もお楽しみに!
 

 

物語に登場した商品はこちら

CF9168 ムーミンクロスステッチ〈ムーミン谷の冬景色〉                                                                                     
生地は、はじめての方でも挑戦しやすいDMCアイーダ14ctを使用。 大きいサイズですが、少しずつ刺し進めて模様が浮かび上がってくる様子は、喜びもひとしお。

投稿者名:手づくりタウン事務局