キャシー中島さん

キャシー中島さん 八歳より劇団「若草」にて演技指導を受ける。昭和四十四年レナウンのCFでデビューを飾り、その後モデルCF部門最優秀新人賞を受賞。昭和五十四年俳優の勝野洋と結婚、一男二女を出産。子供たちを自然の中で育てたいと静岡県御殿場に住居を移し、七年間子育てに専念する。昭和五十九年に本を出版すると同時に活動を再開。タレント活動や講演会などをこなしながら、パッチワークキルトのショップ兼教室を飛び回っている。趣味が高じて料理研究家、ガーデニングデザインにも活動の場を広げている。その後子供たちの成長とともに居を東京に移し、平成十一年には御殿場の家を改築し、パッチワーク美術館「スタジオK キャシーズキルトミュージアム」をオープン、ハワイアンキルトを中心とした作品を展示している。キルトの作風もハワイアンひと色でなく、アップリケの手法のステンドグラスキルトや、大好きなプロヴァンサルプリントを使ったキルトなどを楽しんでいる。 関連本 いちばんよくわかるキャシー中島のハワイアンキルト ハワイアンキルトの基礎+作品80点+4つのレッスン掲載

あるとき、たびたび訪れていた生まれ故郷のハワイで、一枚のハワイアンキルトに出会う。田舎のレストランの壁に掛かっていたそのハワイアンキルトは、パンの木のパターンだった。大らかで大胆なデザイン、鮮やかな二色使いのシンプルさなどにぐっと惹かれるものを感じた。自分の楽しみではなく、見せるためのパッチワーク制作に追いまくられて、ピーシングの細かさにも行き詰まりを感じてきた頃だったので、その単純明快さは新鮮だった。 布を折り紙のように四つ、または八つに折って模様を切り抜き、土台となる布の上にまつっていくというハワイアンキルト。その起源についてハワイの人が一番好んでするお話は、白いシーツにヤシの葉陰が美しく揺れるさまを見て生まれたというものだ。ハワイアンキルトの魅力である自由でのびやかな感じは、折りたたんだ布に型紙なしのフリーハンドで線を描き切っていく、その即興性にある。決して自然に逆らわず、現在でも流れ出ている火山の溶岩さえ横目に見ながら悠然と生活するハワイの人たち。そのゆったりとした生き方は、まさにハワイアンキルトに映し出されている。 ハワイアンキルトのいっぽうで、御殿場で数々の花を育てたところから始めたガーデニングキルトも作り続けている。土作りから始めて育てた草花が蕾をつけ咲いていく感激をキルトに映し、布で表現していく作業は、想像だけのデザインとは一味違った喜びがある。とにかく何かを感じたらすぐキルト制作に反映させるキャシーさんは、ステンドグラスキルトやプロヴァンスキルトと名付けて、さまざまな方向性も試みている。ハワイアンキルトを作るようになってから、ハワイの歴史や文化にも興味が深まり、そんな講演も頼まれるようになった。観光地としての表面的なハワイではなく、もっと踏み込んだディープなハワイ、そこに住む人たちの自然に逆らわない生き方を日本人に伝えることも、自分の使命かなと思うようになった。 ―本文より一部抜粋― キルトジャパン2003年7月号より
  • ファーストキルト 1972~1974年制作
    「こどもの頃から針を持つことが大好きで、布を並べたり、縫ったりと一人遊びをしていました。モデルの仕事をしていた20歳の頃、アメリカの海岸の町で見たキルトに心を惹かれ、その店のオーナーにアドバイスを受けてパッチワークキルトに夢中になりました。布を何とか集めて縫ったのがスクエアとサンボンネット・スーのキルトです。私の娘たちもこのキルトに包まれて大きくなりました。思い出がいっぱい詰まった大切なキルトです。」
  • アメリカのパデューカ、ヒューストンへ行った時に買い求めた様々なアンティークキルトがミュージアムの一角の衣装棚に収められている。時を超え、赤やグリーンなどの色合いと風合いが何ともいえず心温まる。
  • ハワイに咲く花を中心に作られた、ハワイアンキルトの数々。ハワイをこよなく愛するキャシーさんのいろいろな思いがキルトに込められている。
  • キャシーさんがセレクトした、赤、黄色、緑、紫、青など色鮮やかなプリント柄や、ハワイアンプリントが所狭しと並ぶ、スタジオKのショップ。

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