中山弘子さん

中山弘子さん 茨城県水戸市在住。キルト歴27年。キルト教室「ペパーミントキャリコ」主宰。「チャーミングキルターズ」代表。1995年第4回キルト日本展にて『冬―時の結晶』が銀賞。1997,1998,2004年個展開催。2002年第7回キルト日本展『big tree』コンテンポラリー部門佳作。2004年第8回キルト日本展『過去と未来の約束(100年後の私へ)』トラディショナル部門金賞。2007年第9回キルト日本展『三人姉妹―Scene』トラディショナル部門文部科学大臣奨励賞。同年茨城新聞にコラムを掲載。

中山さんがキルト関係の活動で、地道に続けているのが「チャーミングキルターズ」という新睦団体の交流だ。1995年にヒューストンとリヨンに一緒に行った全国のキルト仲間と、「ノートにキルトの情報や日々の雑感を書いて、回しましょう」という軽い発想で始めたが、中山さんが核となってもう十年以上も続いている。 こうした横のつながりには一切の利害関係がないので、年に一回キルトウィーク横浜でブースを出す時にみんなで顔を合わせ、友好を深めていると言う。 中山さんは三年ほど前から、月に二回は東京に出る日をもうけている。上京すると、美術館や博物館、歌舞伎や映画を見て回り、長女の部屋に泊まる。長女とは夜のふけるのも忘れ、映画の話に熱中することも。勉強などと大げさなことは思っていないが、遊ぶ時間に手間ひま、お金はおしまないと言う。水戸と言えば地元の水戸芸術館が有名だが、そこにも足を運ぶようになった。こうしたことに億劫になってはいけない、自分の中を風通し良くしなければ、と思う。 「年齢的にも、人生のまとめの時期に入っていると感じますね。それだけに、生活のすべてをいいかげんにしないで、できるだけ丁寧に生きたいと思います」細やかに、丁寧に生活することが、すべての基本だと思うから、そのために小さな努力を重ねるしかない。 「母を看取った時に、死ぬことは大仕事だと感じました。昔のように、寿命をまっとうし、家族に見守られて自然に終えるということが難しい世の中になってきている。今は自分は転がる石ですが、できれば転がるイメージのまま終わりたい―そんなことを思います」 ―本文より一部抜粋― キルトジャパン2008年9月号より
  • キルトを初めて10年目頃、大好きなリバティの布でキルトを作りたいと布を集め、楽しみながら作り上げた「おばあさんの花園」のキルト。
  • 人生の歩みのように、ちくちくとすべて手縫いで作り上げた『三姉妹―SCENE』。今年の第9回キルト日本展で、トラディショナル部門最高賞の文部科学大臣奨励賞を受賞。眺めて印象に残っていたチェーホフの「三人姉妹」のポスター、いつかは挑戦してみたいと思っていたキルトジャパン特集のマリナーズコンパスのパターン、そして自分たち三人姉妹という現実が一つの線につながって生まれた作品。
  • アトリエに続くリビングで、気分を変えて制作。リビングはケイフ・ファセット・コレクションで作った作品でトータル・コーディネート。暮らしの中に、素敵にキルトが融け合っている。
  • 50坪の広い庭は中央に芝生が植えられ、周囲に花やハーブ、イチゴやプルーンの実もの、梅や葡萄などの果実樹、そして四季折々に咲く百花繚乱の花々が溢れている。時には緑に目を癒しながら、ベランダで針仕事を楽しむのだとか。

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