第3回 お題「ラメ刺しゅう糸」
2019/10/03 00:00
ステッチイデーの人気連載「ステッチ&トーク」。刺しゅう作家の西須久子さんと新井なつこさんがひとつのテーマを元にそれぞれ作品を作り、おしゃべりするページです。対談の本編はvol.30誌面でお楽しみください。ここでは編集担当者を加えた3人でお送りします。今回は西須先生の思い出のお話も飛び出しました。
撮影/白井由香里 ラメ糸、各社から出ています 編集部(以下・編) 今回、作品にはフジックスのスパークルラメという糸をお使いいただきました。 西須久子(以下・西) 私、ラメ糸自体あんまり使わないんだけど…ウン十年刺しゅうやってて、実はこの糸初めて使ったの。フジックスさんごめんなさい! 新井なつこ(以下・新) 私も同じく…。フジックスさん、糸メーカーだけあっていい仕事してますねえ(笑)。これまでラメ糸はDMCのディアマント(編集部注・ボビン巻きのラメ糸)を使うことが多かったんだけど。 西 私もそう。あれが出てから、ほかのメーカーさんでもボビン巻きのラメ糸が増えたのかな?  各社から発売されていて、それぞれ色数も結構多いんですよ。 西 コスモは「にしきいと」ね。和風の色名がついてる。西陣織とか着物っぽいイメージなのかしら。  今度、もう少しポップなカラーの新色も出るそうです(詳しくは本誌vol.30をご覧ください)。  3社のラメ糸を比べてみると、質感が全然違いますね。 西 糸の太さも違うね。キラキラ具合も、それぞれ個性的。試し刺しをして、作品のイメージに合わせて選ぶのがいいですね。 アイディアはファッションから  本編では、西須先生の作品の「差し色」の話題が出ましたね。新井さんが西須先生の作品をご覧になった時「西須カラー!」とおっしゃっていましたが…。 西 私、ベージュとブルーの組み合わせが好きなの。リネンのベージュね。それに青味の強いピーコックグリーンとか、ターコイズとか。  それです、それが西須カラー! 西 20年以上前、娘とフランス旅行をしたのね。確かルイ・ヴィトンだったと思うんだけど…店員さんの制服がリネンのベージュのスカートにきれいなブルーのシャツで、その組み合わせがとっても素敵だったの。今でも印象に残ってる。  思い出の色合わせ。 西 それと、ディオールの広告だったかなあ、グリーンにちょっとだけ紫を加えてあって。自分では使わない色だけど、すごく素敵で「これが差し色というものか!」って、衝撃が大きかった。  西須カラーは、そういう体験が元になっているんですね。  私もウインドーショッピング大好き。そこからデザインとか色使いのアイディアが出てくる。 西 本はね、私たち手芸の本ってあんまり見てないの(笑)。  2人ともファッションかインテリアの本ばっかり見てますよね。 西 手芸とか刺しゅうの本は、資料として見ると自分の作品に何かしら影響が出ると思って。さっきの話はだいぶ前のことだけど、強く印象を受けたこととか、自分の感覚は大事にしたい。 刺しゅうの人は、手が乾く?  私、この前「貼り箱」の講習に行ったんですよ。カルトナージュみたいに、素敵な紙を貼って箱を作るの。 西 刺しゅうの人って、カルトナージュが好きよね。私も昔通ったことある。  バッグとかポーチとか、刺しゅうしたものを「縫って仕立てる」のが苦手な方が多いみたいで。カルトナージュは「切って貼る」のが基本だから、仕立てるよりもハードルが低いのかなと思います。  刺しゅうしてる時って、作品を汚したくないから途中で何度も手を洗うでしょ。それに刺しゅうをする人は手とか指が乾いていると思うんです。ベタベタしてたら作業できない。 西 そうね、手が乾いてる! 私なんてスマホが全然反応しないの。  それはパッサパサですね…。  その教室で、ボンドのかわりに膠(にかわ)を使ってたんですよ。ベッタベタなの。それがどうにも我慢できなくて…私1人だけアライグマかって位に何度も手を洗って、最後には先生に貼ってもらってた(笑)。 西 そりゃ新井さんだもの、アライグマよね!
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