Tricoquelicotの編み物のお話(12)

KAL(カル)

編み物まわりの海外からの情報を見ていると、KAL(カル)という言葉を目にすることがあります。これは、Knit Along(ニットアロング)、一緒に編むという意味の略称です。手しごとをする人たちは昔から、いろいろなかたちでひとつの場所に集まってともに手を動かしてきましたが、このKALという言葉はインターネットがニッターたちの世界に取り入れられるようになってから、2000年代前半に生まれました。編むもの、もしくはテーマ(ショールなど)を決めて参加者を募り、大体は開始日か期間を決めて、みんなで編み始めます。その告知と報告がオンラインで行われるのです。

現在はラベリーでグループをつくるやり方が一般的になりましたが、それ以前は編み物フォーラムや個別のブログで募集がありました。仕上がった作品の写真をシェアできるように、KALごとに新たにブログを作っていた時代もありました。オンライン上に集える場所ができたことで、ニッター同士の物理的な距離が取り払われ広く「一緒に編むこと」が可能になったのです。

その後、デザイナーが編むもののパターン(編み図と説明)をわざと段階的に発表し、最初はどんなものを編むのかわからないまま編み始める「MKAL(ミステリーカル)」や、近年はかぎ針のCAL(CrochetAlong)、棒とかぎを両方含むKCALなどという言葉も生まれています。ラベリーに日常的にアクセスしているニッターたちは、毎日のように新しく始まるさまざまなKALに参加して、世界中のニッターたちと一緒に編むのを楽しんでいるようです。

リリースのときのすっぽり頭を隠した写真が人気になり、これを真似た写真が作品の完成写真に多数現れた

毛糸だま 2015年夏 166号掲載