津田蘭子さん「静かに、着実に、作品が増えています」
最初に勢いよく進み始めたのは蘭子さんでした。かぎ針でマフラーや帽子を編み、最近では棒針にも挑戦しています。
作品はSNSに着実に投稿されていて、色づかいも質感も蘭子さんらしい仕上がりです。
「最初より目が細くなってきた気がします」「編み地のテンションも変わりますね」そんなコメントとともに、ひと目ずつ成長していることが伝わります。
静か、でも、確かな歩み。
蘭子さんは、編み目を数えません。
蘭子さんの編み物は、日々の暮らしの中で自然に積み重なっているようです。
うさんこさん「帽子は完成、棒針は少し苦戦中です」
うさんこさんは、かぎ針で帽子を完成させました。ふっくらした編み地が可愛らしく、SNSでも反響があったそうです。
一方で棒針は、「メリヤス編みになると迷子になります」と笑っていて、必要であれば習いに行くことも検討されているそうです。
また、編み物イベントにも興味があり、「誰かと一緒に編むと、一人では越えられないところを越えられる気がします」と話していました。
無理をしない。できる範囲で続ける。その柔らかな距離感こそ、うさんこさんらしい編み物との付き合い方になっています。
吉免高志さん「まだ編んではいませんが、確実に近づいています」
吉免さんは、まだ実際に編んではいません。それでも、休日になると手芸店に立ち寄るようになったそうです。
「毛糸の棚を見ると、色の重なりや質感が面白くて、つい眺めてしまうんです」と話していて、言葉のプロならではの視点が、ゆっくりと手仕事の世界に向き始めているのを感じます。
さらに最近では、ポーチのキットを購入したそうです。まだ手はつけられていないものの、始める日は確実に近づいているようでした。
三人とも、それぞれのリズムで編み物を楽しんでいます。
蘭子さんは静かに作品を増やし、うさんこさんは無理なく自分のペースで進み、吉免さんは編む前から、編み物の世界を少しずつ自分の生活に取り入れています。
編み物は、急ぐ必要のない手仕事です。完成までの速度ではなく、手を動かす時間そのものが心を豊かにしてくれます。
『あみものできた!』から始まった三人の編み物の旅は、暮らしの中に、それぞれの形で静かに根づきはじめています。
全5回にわたってお届けしてきた本連載も、今回でいよいよ最終回となりました。これまでの記事を通じて、読者の皆さまに少しでも「編み物をはじめてみたい!」という気持ちを共有できていましたら幸いです。
【第2,4水曜更新予定】

津田蘭子さん
熊本市出身
2001年からフリーのイラストレーターとして、雑誌・書籍・Web・広告などのイラストを数多く手掛ける。2012年~2021年までネコブロガーとしての活動もしていた。また、年間100着以上の服を作り、ワードローブは100%手作り服。その他、小物や靴、メガネなど、アウトフィット全般を自作している。
作品は、SNSなどで紹介。YouTubeでは作り方なども配信している。
著書
- 「今日もネコをいただきます。」(ワニブックス)
- 「家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。」(ワニブックス)
- 「家庭科3だった私がバッグも帽子も小物も100%自分サイズで手作りしました。」(ワニブックス)
- 「その服捨てるのちょっと待った!リメイクしたらオンリーワンができました。」(JTBパブリッシング)
- 「家庭科3だった私が365日手作り服で暮らしています。」(ワニブックス)
- 「そうだワンピースを作っちゃおう!」(永岡書店)
- 「家庭科3だった私が家でも外でも100%手作り服でコーディネイトしています。」(ワニブックス)
- 「ハンドメイド作品を売る方法をいろいろな人に聞いてきました。」(主婦と生活社)
- 「ソーイングはなんて楽しい!自分サイズのやさしい服作りガイド」(文化出版局)
- 「津田蘭子のミシンの困った!解決BOOK」(主婦と生活社)

うさんこさん
YouTubeでハンドメイドレシピを発信するクリエイター。きっちりは苦手、自分に優しく、無理しない“ものづくりのお調子者”。好きな言葉は「まぁ、いいっか」。テレビ出演や雑誌掲載の実績もあり、手芸を通じて、日常をちょっと豊かにするアイデアやライフハックを発信している。
著書
- 「YouTuberうさんこチャンネルのまぁいいっか!ハンドメイド」(ブティック社)
- 「YouTuberうさんこチャンネルのちゃっかりハンドメイド」(ブティック社)
- 「YouTuberうさんこチャンネル 必死さゼロの通園通学グッズ」(ブティック社)

吉免高志さん
企業やブランドの「らしさ」を見つけて、言葉にするコピーライター。売るための言葉はもちろん、好きを生み出す言葉、共感が芽生えるストーリーを大切に、ブランド設計、コーポレートメッセージ、SNS用投稿文など幅広く手がけている。
あみものできた!












