
手芸検定は、世界をひらく小さな鍵になる。
こんにちは。手芸検定を担当している川口です。
普段はヴォーグ学園で仕事をしながら、少しだけ編み物にも親しんでいます。入社して間もない頃、当時のヴォーグ学園校長に教えていただきながら編んだセーターは、編み進めるうちにだんだん手がきつくなってしまい、ぴったり体に沿いすぎる“ウエットスーツ級セーター”ができました。今思い出すと少し照れくさいような、でも大切な原点のような思い出です。
そんな私が今向き合っているのが「手芸検定」です。
検定問題を確認しながら、受験される方が迷わず学べるように、知識の一つひとつを整える仕事をしています。技術そのものはプロフェッショナルというわけではありませんが、縫う・刺す・編むといった幅広い領域にまたがる知識を見渡し、正しくお伝えすることにやりがいを感じています。
「難しい?」という質問への答え。
手芸検定については、よく「難しいのでしょうか?」と聞かれます。
ですが、テキストを丁寧に読んでいただければ、しっかり理解できる内容になっています。今回が第一回ですので過去問はありませんが、逆にいえばテキストこそが全て。100点を目指すことも十分に可能です。
手芸検定にはいろいろな期待が寄せられています。
メーカーで働く方の基礎知識を整える場として、先生として活動したい方の信頼性を高める資格として、そして作家活動をされる方にとって、ものづくりの土台をつくるステップとして。
「知識がある」ということは、作品に説得力を与え、自分の“好き”を揺るぎないものにしてくれる力があります。
手芸検定がひらく未来。
社内の打ち合わせでも、手芸検定の今後についてさまざまな意見が交わされています。
発信力のある方に受験していただき、学ぶ楽しさを広く共有すること。合格された方にヴォーグ学園で講座を担当していただく可能性や手づくりタウンで紹介記事を掲載する案も出ています。さらに、家庭科教育との連携や準会場の設置など、手芸を学ぶ環境そのものを豊かにする取り組みも視野に入っています。
もちろん、すべてがすぐに形になるわけではありません。
それでも、検定が“学びの入口”としてより開かれたものになっていくことを、静かに、でも確かに目指しているところです。
それでも根本は変わらない。
どれだけ可能性が広がっても、手芸検定の本質はとてもシンプルです。
「手芸が好き」という気持ちを、知識でそっと支えること。
私自身、猫検定を受験したことがあるのですが、試験前に焦って過去問を購入し、ドキドキしながら読み込んだことがあります。あの不安と期待の入り混じった気持ちは、検定に挑戦される皆さまときっと同じだと思います。
その小さな不安が「知ってよかった」に変わる瞬間。
この一歩こそ、検定のいちばんの価値だと感じています。
技術は、手を動かすことで育つもの。
知識は検定で整えられますが、技術はやはり手を動かしてこそ育ちます。
手づくりタウンのキットで自宅で練習する
ヴォーグ学園で講座を受ける
オンライン講座で自分のペースで学ぶ
どの学び方にも良さがあり、正しい知識が身についていると技術の上達がよりスムーズになります。作品づくりが一層楽しくなるのを実感していただけるはずです。
手芸とともにある日々を、しっかり支えられますように。
手芸検定が、みなさまの手しごとを支える確かな土台となれれば幸いです。
合格が目的ではなく、学んだひとつひとつが作品の力となり、手芸と生きる日々を豊かにしてくれることを願っています。
これからも、検定そのものを丁寧に育てながら、より良い形でお届けできるよう努めてまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!














