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ヨーロッパ刺しゅうは、色糸の組み合わせとステッチの使い方で、繊細なものからラフなものまで、変化のある美しい作品ができ、この豊かさ、多彩さは、他の刺しゅうにないほど広範囲なのが特長です。ヨーロッパ刺しゅうの種類は豊富で、100種類以上あるといわれています。ステッチの名称は形から連想してつけられたものが最も多く、刺しゅうの生まれた国名、土地名にちなんで名づけられた名称もあります。
18〜19世紀の西欧、華やかにまとった貴婦人の衣装には、美しいリボン刺しゅうが施されていました。イタリアのボローニアにはじまったリボンの歴史は、1517年フランスのリヨンの南西、サンデチエンヌにその中心を移し、以後たくさんのリボンが生産されました。リボンにはいろいろな種類があります。ステッチの針運びは刺しゅう糸と同じですが、幅があるので、引き加減に注意して刺します。
「刺しゅうガイド 技法いろいろ」 日本ヴォーグ社刊より
ビーズやスパングルを使った見た目も豪華な刺しゅうです。刺し方は一般的なヨーロッパ刺しゅうと同じです。
「こんなとき あんなとき 刺しゅうなんでもQ&A」日本ヴォーグ社刊より
アップリケとは「貼る、つける」という意味で、土台布の上に好みの形に切り抜いた小さい布やフェルトなどを置いて刺しゅうやミシンで縫いつける簡単な手芸です。フェルトなどは縫い代をつけずにステッチで周りを飾り、薄地の場合は縫い代を折り曲げてたてまつり。さらに綿を入れてふくらみをもたせた立体アップリケなどがあります。
スモッキングは、布地にひだを寄せた折り山に刺す刺しゅうです。スモック(smock)とも呼ばれ、17世紀ごろの直線裁ちにした衣類の余分な布をしわづけして身にまとっていた婦人用肌着でした。それが装飾的になり、北欧や東欧で民族衣装として生き続けています。現在でも、薄手の木綿からウールまで、無地・水玉・縞・格子などを用います。
「こんなとき あんなとき 刺しゅうなんでもQ&A」 日本ヴォーグ社刊より
スエーデン刺しゅうの特徴は、布目を数えながら布をすくって刺す刺しゅうです。先の曲がったスエーデン針で、織目の下をトンネルのようにすくっていき、さらに階段のように布目を上がり下がりすることによって模様ができていきます。
「新装版 スウェーデン刺しゅう」日本ヴォーグ社刊より
古代ビザンチン時代に、イタリアを経てヨーロッパから全世界に広がったという古い歴史を持つ刺しゅうです。布目を数えながら表面に2本の糸を交差させます。糸は中央で交差し、交差の方向を一定に並べて刺します。
刺しゅうの刺し方:クロスステッチへ
「基礎シリーズ 新・刺しゅう」 日本ヴォーグ社刊より
Le tissue leger(ル・ティシュ・レジェール)は、フランス語で軽やかな布、薄い布という意味ですが、フランス刺しゅうの数多いステッチの中でも、シャドウステッチを使って刺した作品…、布を通して透けてみえる、何ともいえない優しい感じになります。シャドウステッチを中心に、薄手の麻などを使ってつくるパンチワーク、織り糸のかかり方で大変面白い透かし模様をつくっていくアジュール刺しゅうの3つが組まれています。
キャンバス地に刺しゅう糸や毛糸でハーフクロスやテントステッチをして布全体をおおいつくす刺しゅうを「ニードルポイント」と呼んでいます。以前は「タピストリー」「ハーフクロス」「キャンバスワーク」「ニードルワーク」などと呼ばれていたものです。
カットワークは、古くから教会の祭服や貴族の衣類に使われた刺しゅうで、16世紀頃のものからイギリスの美術館などで見ることができます。図案をボタンホール・ステッチ、または巻きかがりでバー(糸の端)を渡し、その部分の布をカットするだけの簡単なものです。
ハーダンガー刺しゅうは、ノルウェーのハンダンゲル(Hardanger)地方の女性たちの間でつくり出されたもので、格子ドロンワークの一種です。クロスターブロックを使うのが特徴で、小さなブロックにサテン・ステッチを刺し、糸を抜いて四角形の格子を残します。残った織り糸を、かがったり、織ったりして、バーの形をつくり、四角形の空間には、いろいろな種類のフィリング・ステッチが入ります。図案はおもに幾何学模様になります。
「すてきなハーダンガー刺しゅう」日本ヴォーグ社刊より
刺し子は重ね合わせた布に、補強と保湿のために刺し縫いしたものがはじまりのようです。ほつれた部分に布を重ねて刺し子をし、丈夫にすることで、当時は大変貴重品だった布を大切に使いました。定番は藍色の木綿地に木綿の色糸で刺します。伝統的な模様も数多く受け継がれていますが、最近ではカラフルな色合いのものや、デザインを楽しむこともあります。
「ヴォーグ基礎シリーズ 新 刺し子」日本ヴォーグ社刊より
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