早川靖子さんインタビュー
現役プロに学ぶ仕事としての編み物 『プロフェッショナル・ニッティング講座』
受講申し込み受付は2025年12月15日(月)10:00~を予定しています。
ファッション、アパレル業界を中心に活躍する手編みニットのプロフェッショナル、早川靖子さんを講師に迎え、今まで学んできた手編みの技術を「仕事」として活かすための少人数制の講座を開催します。この講座では「アパレル、OEM企業などから生産依頼を受け、製品を作る」といういわゆるニッターの仕事に興味のある方が対象で、長年にわたり数々のファッションブランドと共に仕事をしてきた早川さんからそのノウハウを学びます。講座開催にあたり、早川さんにお話をうかがいました。
ファッション業界におけるニットの現状
「商品としてのニット」はハンドメイドを含め市場に溢れかえっています。自分で「編む」から「買う」に変化してきたのでしょう。編み物ができる人は減ってきているのに、需要は高まるばかり…。ファッション業界では、ニットの知識や技術のある人の確保や人材不足に悩む、といった皮肉ともいえる現状があります。


誰にでもできる仕事ではありません
この仕事はただ編むだけではなく、ニットの技術を「表現」として企業やデザイナーに提供します。ファッション業界ではそういったニットの知識のある人材が、ブランドの幅を広げるだけでなく「ニットもできる」というプロモーションにつながるため、人材確保に躍起になるのです。
ここでいうプロとは「ニット」という言語を介した翻訳者のようなもので、英語を話せる人すべてが翻訳者になれないのと同じように、編み物ができる人すべてがプロになれるわけではありません。
決して詳細とは言えないデザイン画を編み図に置き換え、糸の太さやイメージをデザイナー以上に知らねばならない…。もしかしたら自分でデザインするより難しいことかもしれません。だからこそ形になった時に何ものにも代えがたい達成感が生まれるのです。


仕事としてのニット
この講座では「アパレル、OEM企業から生産依頼を受け、製品を作る」という仕事に興味のある方が対象です。20年以上、数々のファッションブランドや新進気鋭のデザイナーと共に仕事をしていますが、いまだにパリコレなどのショーで自分が仕上げたニットをモデルが着用したり、誌面を飾っているのを見ると、やっぱり嬉しいんです。その喜びを共有できるきっかけになればと思います。
現在も素晴らしいニットの技術を持っている方がたくさんいます。その技術を最大限に活かせるよう今までの経験や技術、ノウハウをお伝えできたら幸いです。



早川靖子:はやかわやすこ
神奈川県在住。幼少期から独学でニットを学び、ニッターや作家として活動する。その後指導員資格を取得し独立。20年以上ファッション業界のニットのプロフェッショナルとして、ユキトリヰ、ジュンコシマダ、コムデギャルソン、コシノジュンコ、アキラナカ、リトゥンアフターワーズ、CA4LA、AURALEE、ISSEY MIYAKEなど、数々のニット作品を手掛ける。現在人材育成に力を入れている。
取材記事
https://www.fashion-headline.com/article/11609
https://www.excite.co.jp/News/fashion/20160912/Fashion_headline_15448.html

