第24回 キルトジャパン賞 入賞作品発表

第24回 キルトジャパン賞 入賞作品発表

毎年開催のキルトジャパン賞も今年で24回目を迎えることになりました。作品はA部門:ミニタペストリー「テーマ:友だち」とB部門:袋ものの2部門で募集。本審査は、郷家啓子さん、三池 道さん、石上友美(本誌編集長)によって行われ、各賞が決定しました。協賛社賞もあわせ、計142点の入賞作品を発表します。

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グランプリ

グランプリ

小山久美子(長野県)

「花火」 80×80cm

作者のコメント
子供の頃、夏休みの間だけ許してもらえた友だちとの夜。そんな特別な時間をキルトにしました。
審査員からのコメント

郷家:全体がよくまとまっており、構成が素晴らしいです。花火のデザインも美しく、この日だけは許された、友だちとの夜の外出の楽しさがよく伝わってきます。

三池:「友だち」というテーマに的を射たデザインで、子供の頃のなつかしい雰囲気が伝わってきます。リバースアップリケの技法を上手に使いこなしていて、素敵な作品に仕上がっています。

石上:夜空や街並み、人や動物のシルエットなどをさまざまな黒で表現しているのがおもしろいと思いました。花火の鮮やかさや華やかさとともに、ノスタルジックな雰囲気もよく出ていて、「友だち」というテーマがよく表わされていると思います。

金賞

金賞 A部門 (ミニタペストリー)

田中和子(広島県)

「映え合う仲」 80×80cm

作者のコメント
夕日に映える富士山を作りたいと思い制作しました。太陽の形と位置に悩みました。
審査員からのコメント

郷家:太陽と富士山と海という三つの要素が互いに映え合って、きれいに仕上げています。技法も楽しくて好きな作品です。

三池:茶とブルーと赤をうまく使い分けていて、色の使い方に深みが感じられました。刺しゅうのステッチもよく効いています。

石上:何と言っても圧倒的な力強さ。この作品の魅力は太陽と富士山の力強さを見事に表現していることに尽きると思います。

金賞 B部門 (袋もの)

安武由里(栃木県)

「ボタンのバッグ」 25×25×9cm

作者のコメント
学生時代から取り溜めていたり、かわいくてつい買っていたり、ポンコロンとできるくるみボタン。大好きなボタンが主役のバッグです。
審査員からのコメント

郷家:ボタンと全体的なモノトーンの色使いにアクセントの色が入っておもしろいと思いました。取り外しのできる仕掛けも楽しいですね。

三池:ボタンの色を土台との組み合わせによってその都度変えてあるのがおもしろく、よく集めたなと思いました。仕立てもとてもきれいです。

石上:ジグソーパズルのように着せ替えができるバッグのアイデアがおもしろいと思いました。ボタンも布も、クラシックなものから、かわいらしいものまで、さまざまな素材にチャレンジしていて素晴らしいですね。

銀賞

銀賞 A部門 (ミニタペストリー)

丸山清美(香川県)

「おててつないで~」 77×76cm

作者のコメント
誰もが手をつなぐと友だちになれる。仲良くなれる。そして愛が生まれる。心にうかんだメロディをタイトルにしました。
審査員からのコメント

郷家:今回のテーマ「友だち」がよく表現されていると思います。人々が互いに手をつなぎ合って世界から争いがなくなるように、という祈りを感じました。

三池:人々の髪と肌が一つひとつ丁寧に表現されています。明るい色合いと、円を分割した土台にまとまりが感じられ、2014年サッカーのワールドカップを思わせる作品です。

石上:ピースワークで表現した国旗、地球を思わせるベースの円、それを囲む世界の人々というデザインは今回のテーマをダイレクトに表現していると思いました。

銀賞 A部門 (ミニタペストリー)

近藤容子(香川県)

「サンゴとさかなのカンケイ」 75×75cm

作者のコメント
色彩豊かなサンゴとその中で泳ぐ魚の美しさに感動する。しかしその珊瑚礁が危機にさらされている。美しい自然を遺す義務がある。
審査員からのコメント

郷家:テーマにちなみ、魚とサンゴの大切な関係をよく表していると思いました。四角つなぎで海の動きも巧みに表現されています。

三池:プリント柄を上手に使うことで、海の流れがとてもよく表現されています。四角つなぎの用い方が従来の枠におさまっていない点が、大変によいと思いました。

石上:透明感のある色使いとミシンでのステッチとピースワークが、海水の流れと魚同士の遠近感をよく表していると思いました。

銀賞 B部門 (袋もの)

橋本桂子(京都府)

「暖カク、楽シク。」 28×45×16cm

作者のコメント
存在感のあるウール地が好きです。小さなこだわりの技法と色で制作しました。
審査員からのコメント

郷家:いろいろな形のピースがあって楽しいし、色使いもきれい。よく見るとファスナー使いなど仕立ても凝っている作品だと思いました。

三池:これだけたくさんのウール地を見つけるのは大変だったと思います。毛糸のチェーンステッチなど、ステッチも一つひとつ違い、底部分のスカラップなどもかわいくて素敵な作品です。

石上:配色のきれいさに目を惹かれました。ステッチなどさまざまな工夫やテクニックが盛り込まれた楽しい作品だと思いました。

銀賞 B部門 (袋もの)

出原美智子(和歌山県)

「つながるBag」 30×30×7cm

作者のコメント
メールで無言の会話をする事があたりまえになった現代。電波ではなく回線でつながっていた頃のことを思い出して欲しくて作りました。
審査員からのコメント

郷家:電話線のようなイメージを表現した点と、刺し子のステッチがきれいな点で選びました。テーマがよく表現されています。

三池:刺し子のステッチを、重い感じにならないよう使っているのが巧みだと思いました。手づくりの感じを軽やかに表現しているのが素敵だと思います。

石上:ザクザクと刺したステッチに愛着が持てます。「つながる」というテーマに電話コードを表現したところもユニークでおもしろい発想だと思います。

審査員賞 A部門(ミニタペストリー)

郷家啓子賞

荻原孝実(千葉県)

「みんなで一緒に♪」 78×78cm

作者のコメント
仲間のような家族の笑顔をいつも心から願っています。いつだって、どこにいたって、みんなで一緒に笑っています。
審査員からのコメント

郷家:第一印象は「とても楽しい作品」。しかし、よく見ていくと細かな手仕事が丁寧に施されて、みんなに実物を見て欲しいと思いました。きれいで、かわいくなり過ぎない色づかいもいいですね。

三池 道賞

山口千春(大阪府)

「モンスターマンションの仲間たち」 78×75cm

作者のコメント
オーナーは、ドラキュラ伯爵です。
審査員からのコメント

三池:全体をまとめようとしていないのがおもしろいですね。どんなおばけが棲んでいるのかがしのばれて、怖いような楽しいような…。屋根の表現もかわいいです。

石上友美賞

横手郁子(神奈川県)

「共に 高く」 80×80cm

作者のコメント
目標や、やっていることが違っても、励ましたり力を貸したりと友人は有り難い。それをエンドウに見立て、互いに伸びる様子を描きました。
審査員からのコメント

石上:最初はアップリケの美しさに惹かれましたが、少し引いて見てみると、下から上を見上げるような奥行きや遠近感があり、明るく前向きな気分になれるデザインが素晴らしいと思いました。

トラディショナル賞

宮本恵津子(三重県)

「ボク達、チーム『ヘキサゴン』」 76.5×76cm

作者のコメント
ためていたはぎれも、個性のある服装に役立ちました。十人十色だと思います。
審査員からのコメント

郷家:ヘキサゴンは人気のパターンで、いろいろなものをよく見かけますが、このパターンは珍しく、見たことがないデザインでおもしろいと思ったので選びました。

三池:ワンパッチで動きを表現したところがうまいと思いました。色使いがとてもかわらしく、変型の六角形の土台にもそれぞれの表情が出ていて楽しいと思いました。

石上:シンプルに六角形をつないだだけなのに、色使いと布選びのアイデアでキャラクターを表現していておもしろいと思いました。

審査員賞 B部門(袋もの)

郷家啓子賞

武井節子(東京都)

「正方形のシンプルバッグ」 28×34×9cm

作者のコメント
正方形につなぎ合わせるだけで味わいのあるバッグに仕上がりました。今まで溜まっていたはぎれを利用し、エコにもなりました。
審査員からのコメント

郷家:ありふれているように見えて、奇をてらわない良さにあふれている作品と思い、選びました。持ち手も手作りすると、さらに作品が良くなるように思います。

三池 道賞

岡﨑久枝(熊本県)

「もったいないから…。」 34×40×15cm

作者のコメント
着古したジーンズ、もったいないからと捨てられず、いざバッグに! 褪せ具合と柔らかさがいい感じに。やっぱりまた、捨てられない。
審査員からのコメント

三池:プリント地の裁ち方に変化をつけて表情を引き出しています。ポケットを両脇につけるなどジーンズの再利用も巧みで、全体的な統一感もあって素敵です。

石上友美賞

大岩知子(宮崎県)

「菱形いっぱいバッグ」 27×26×10cm

作者のコメント
夏に持つバッグ、涼しげな明るい楽しいルンルン気分でお出掛け。さあ、どこへ出掛けましょう。楽しいバッグができました。
審査員からのコメント

石上:シンプルな印象ですが、ステッチを効果的に利用していてオリジナリティーがあると思いました。ポケットを開けると内側の布にハッと目を引くような柄を使うなど、遊び心も隠れています。

協賛社賞

株式会社エム・シー・スクエア賞

オリムパス製絲株式会社賞

株式会社KAWAGUCHI賞

神田商事株式会社賞

金亀糸業株式会社賞

クロバー株式会社賞

蛇の目ミシン工業株式会社賞

JUKI販売株式会社賞

ジョアン賞

大黒絲業株式会社賞

ダイワボウテックス株式会社賞

ディー・エム・シー株式会社賞

内藤商事株式会社賞

ハスクバーナ バイキング賞

株式会社フジックス賞

ブラザー販売株式会社賞

株式会社ベルニナジャパン賞

有輪商店賞

横田株式会社賞

株式会社ルシアン賞

渡邊布帛工業株式会社賞

公益財団法人日本手芸普及協会賞

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